「人生における仕事とは」
2021年7月1日
われわれは、何のために生きるのか、何のために仕事をするのか、そして何のために学ぶのか、さらに、自分の人生とは何なのか。
こうした人生の問いに対して、今、コロナ禍の中でさらに、性急に追いつめられた人が多く、ゆきづまった人は、自殺という手段でこのことから停止する人も多いと聞く。
そこで、私は、ゆっくりと立ち上がることの手始めとして、仕事というものを考えてみた。
私は、税理士である。お客様とのおつきあいを30年以上させていただいた。その中で、引退を早々と決め込む人、いやいや、人生最後まで仕事をもち、死ぬまで仕事をもちたい人、様々である。
失敗や挫折が人を成長させるのも事実です。
無難なことしか行ってこなかった者をリーダー的な地位につければ、成果があがらない組織になると思います。
失敗や挫折は、人の能力を高め器を磨き、人物を本物にするために天が与えた試練です。労苦に耐え、乗り越えた者だけが真のリーダーになると思います。そしてそのために必要なことは、不断の学びでしょう。それは、業務知識や技術、スキルなどを習得することではなく、人間学という、人の教えを学ぶことであります。
だからこそ、先哲の教えを学ぶことがいかに大切か、ということでしょう。
社会の中で、一隅を照らし続けるために学ぶということは、人生でいかに大切かを知ることでもあります。
そして、仕事というものに対して、もう一度見つめ直してみることは、価値があることであると思います。
「中年から高年になりますと、よく危機が話題になりますが、同じ種類の仕事を20年、30年、40年と続けていれば、仕事はお手のもので、学ぶべきことは何もない、そしてそれが、仕事に心躍ることは、ほとんどないことになる。」
ドラッカーは、明日を支配するものの中で、平穏な日常に潜む「順境の中にある逆境」という状況を指摘しました。原因は「飽きる」ことだと断じました。挑戦を避け、無難に生きることから生じた結果ともいえます。
ドラッカーのアドバイスを聞くと、「スキル中心では方向転換はできません。突然行き止まりになってしまいます。外の世界から始めなさいということです。目的は何か、何が大事かからスタートすることです。それが心躍る仕事になろうか」といっています。(非営利組織の経営から)
それは、目的を問うことは、これまで磨いてきた知識やスキル、経験を道具として、何のために使うのかを問うことでもあると思います。そして、それは、今以上に誰かの役に立ちたいという心の叫びにも似ています。
つまり、目的を問うことは、単なる作業から使命へと進むということ。
そして、仕事と学びは人生そのものといえましょう。
森信三先生が、
「たとえ時代がいかに推移し展開しようとも、人は自らの職業を天より与えられたわが使命達成の方途として、自分の全身全霊を捧げるところに人生の真の幸福は与えられる」といっています。
まだまだ、あなたのやるべき仕事はあるはずです。