「時代を読む」とは
今年も衆議院総選挙が行われましたが、どの政治家も当面の課題は語っていましたが、10年後、20年後のビジョンを真剣に語る人はいなかった様に思う。目先の1票が欲しいのが今の政治家である。
福沢諭吉は、その著書「学問のすすめ」で混迷する日本で、新撰組 副長・土方歳三や三菱の創業者・岩崎弥太郎と同じ年であるが(1835年 生まれ)、同世代の若者のように尊王攘夷運動や維新倒幕運動にはまったく関心を示さず、その先にある日本の近代化への道筋を考えていた。そして、今は時代に翻弄されることなく学問を学ぶべきであると、力説したのである。
当時 340万部売れた。当時の日本の人口が3,500万人とすれば、約10人に1人がこの本を持っていたことになる。
時代を読むとは、不易流行が基本でなければならない。いつの時代にも変わらぬ真理が不易であり、時代に対応して変化していくのが流行である。
そして、諭吉はその中で、5つの大切なことをいっている。
・世の中で一番みにくいことは、他人の生活をうらやむことである。
・世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事をもつことである。
・世の中で一番尊いことは、人のために奉仕し、決して恩にきせないことである。
・世の中で一番悲しいことは、うそをつくことである。
・そして、世の中で一番美しいことは、すべてのものに愛情をもつことである。
今の日本、そして日本人は、たった150年前にこういうすばらしい指導者がいたことを思い、じっくり腰を落ち着けて、仕事に打ち込むべきであろう。
ふと思うこのごろである