政治資金規正法とは
今年の夏、舛添東京都知事の一連の疑惑を、報道機関各社は激しく取り上げ批判していた。
確かに政治資金規正法をめぐる法律問題は数多くあり、また国会議員とか地方自治の首長という立場の人がした行為であり、身近でもあり話題性もありで、マスコミ各社は毎日のように毎時間のように取り上げていた。
しかし政治資金規正とは何なのかについては、知らないことが多いのではないか。法のあらましについて、若干のコメントを加えてみる。
まず政治資金規正法の目的とは
議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が、国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、
① 政治団体の届出
② 政治団体に係る政治資金の収支の公開
③ 政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正
④ その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的としている
そして政治資金を規正する基本的考え方として大きく分けて、
① 政治資金の収支の公開 と
② 政治資金の授受の規正等 に分けられる。
政治資金の収支の公開とは
政治団体に設立の届出等を義務付けるとともに、1年間の政治団体の収入、支出及び資産等を記載した収支報告書の提出を政治団体に義務付け、これを公開することによって政治資金の収支の状況を国民の前に明らかにすることである。
政治資金の授受の規正等とは
一方、政治資金の授受の規正等とは
政治活動に関する寄附(政治団体に対してなされる寄附又は公職の候補者の政治活動に関してされる寄附をいう)等について、対象者による制限や量的、質的制限などを行うことをいう。
以上の2つがあり、具体的には次の図の様になっている。
※収支報告の適性の確保等の観点から、政治団体の区分に応じ、次のような特例がある。
○政党・政治資金団体
・自主監査及び収支報告書に監査意見書を添付
○資金管理団体
・収支報告に関する特例(人件費以外の経常経費の明細、保有不動産等の利用状況)
○国会議員関係政治団体
・収支報告に関する特例(人件費以外の経常経費の明細)
・登録政治資金監査人による政治資金監査及び政治資金監査報告書を添付
・少額領収書等の写しの開示制度
以上まず政治資金規正法のあらましとして、目的、基本的考え方を取り上げました。たいへん複雑でわかりにくいといわれる法律であるが、正しく運用されて、民主政治の健全な発達に寄与することを願ってやまないところである。